中部地方試食の穴

山里で育まれた美味【信州遠山 鹿肉カレー】

鹿肉カレー

 ウェブサイトを運営していると、いろんな縁が生まれます。先日、「カレーの穴」が「信毎ホームページ大賞2004」でグランプリを受賞した時は、著名サイトを主宰する方々と知り合いました。みなさん、独創性あふれるサイトを開設・運営されているだけに、個性的かつ魅力的な方ばかり。大いに刺激を受けたものです。

 授賞式の後、壇上で記念撮影をする2人の女性がいました。両手を拡げ、片足を上げてポーズを取っています。後で知ったことですが、2人はコンテストで特別賞を受賞したサイト「遠山郷サポート倶楽部アンバマイカ」の運営スタッフで、壇上でのポーズは「アンバマイカ踊り」とのことでした。何とも実に、個性的かつ魅力的。遠山郷は長野県南の山間部で、地域振興の一環としてサイトを運営、「アンバマイカ」は地元の方言で「遊びましょう」を意味するそうです。

 続く立食パーティーで、「アンバマイカ」のご両人、トオヤマンさん、川手丸さんと話をする機会に恵まれました。「遠山郷にはおいしい鹿肉のカレーがあるんですよ」との言葉は、受賞スピーチでカレーの話ばかりしていた変な男(私です)を気遣ってのことかもしれませんが、私の方は「わぁ、それは素晴らしい。食べたいっス食べたいっスぅ」と卑しさ丸出し。脳裏にはカレーをガツガツと平らげる自分の姿を思い描いていたのです。

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「アンバマイカ踊り」とは…?

 すると10日後、夢見ていた鹿肉カレーが送られてきました。遠山郷で猪や鹿など“山の肉”を扱う「肉のスズキヤ」(マトンの味付け肉「ジンギス」で全国的に知られる店です)が開発、販売しているレトルト製品です。鹿肉入りは「えぞ鹿カレー」以来で、期待が高まります。

 ご飯にかけたカレーは黄色く、粘度の高い和風スタイルです。肉の塊や砕片がゴロゴロと見えるほか、妙にエッジの立った野菜らしい具を多数確認。1人前220グラムとボリュームあり。

 パッケージには「中辛」と書かれていましたが、通常よりやや辛めかも。鹿肉を食べた瞬間は「硬い?」と思ったのですが、すぐに歯の間でホロリと崩れました。それでも肉の繊維を噛みしめると、独特の旨味が染み出てきます。目立っていた野菜の正体はタケノコで、シャキシャキした食感が不思議と心地良く、他の野菜が煮溶けているだけに存在感がある。コク深いのに重くない、肉と野菜の滋味が活かされたカレーでした。
 タケノコはタイカレーではなじみ深い食材ですが、和風スタイルでは珍しい。しかし、実際に食べてみると見事に合っており、あえてタケノコを起用した作り手の、こだわりや自信がうかがえました。

 おいしいカレーを生んだ遠山郷は、素敵な山里に違いありません。…それにしても、「アンバマイカ踊り」って、どんな踊りなのでしょう?

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