福岡県筑紫野市にある「ころしのカレー」。
何とも不穏にして物騒、そしてキャッチーな店名ですよね。
存在を知って以来、「いつか行きたい」と思っていました。たまたま所用で近くを訪れることになったので、立ち寄ってみた次第です。
筑紫野市の中心部、西鉄二日市駅の近く。商店などが建て込んでいる路地に、店はあります。
白い壁に板張りの床…飾り気のない店内ですが、注意書きなどがたくさん貼られています。2~4人掛けのテーブル席が6卓ほど、奥に別室もあるようです。
どうして牛スジ煮込みが…?
メニューはカレーが中心。定食類もあります。
カレーは辛さや量、トッピングなどが細かく選べます。辛さは7段階、量は5段階、トッピングはハンバーグやトンカツなど20種以上も。注文が決まったら、卓上に配置されているオーダー表に書き込んでレジに提出、その場で代金を先払いする仕組み。
辛さは4番目に当たる「美味辛」、量は3番目の「並」、トッピングは「ジェロニモ」と名付けられた牛スジ煮込みを選びました。
しばし待って、カレーが到着。タールのような焦茶色が、ご飯にどっぷりとかかっています。粘度はかなり強そうです。具材は判然としないけれど、肉の繊維らしきものがいくつも見えます。セルフサービスでラッキョウや福神漬が用意されているので、添えてみました。
見た目どおりの、濃厚なビーフカレーです。“重い”よりは“濃い”感じで、肉や野菜が大量に溶け込み、深いコクを生んでいる模様。特徴的だったのがフルーティーな酸味と甘味で、カレーにマイルドな食べやすさが加わっています。
トッピングの牛スジ煮込みは、カレーに同化していて見えにくいものの、食べてみるとたくさん入っているのが分かります。フルフルとした軟らかいゼラチン質が、このカレーに合っていました。
この店の名称は、女性に好まれるカレーを標榜した「女殺しのカレー」に由来するとか。誤解を招かないように「女」を外して、現在の店名に落ち着いたそうです。これはこれで、別の誤解を招いているようですが。
それにしても、どうして牛スジ煮込みが「ジェロニモ」なのか? このあたりにも、奇妙なエピソードがあるような…。