かつて熊本市本荘にあった、カレー専門店「ニューデリー」。閉店したのは何年も前ですが、おいしさが今も語り継がれている名店です。
今回訪れた「たごカレー(TAGO CURRY)」の店主は、青年時代にニューデリーのカレーに出合って「衝撃を受けた」と語る人物。その体験がきっかけとなり、居酒屋などを経て、カレー屋を始めるに至ったそうです。
名店「ニューデリー」のDNA
店があるのは、熊本市の繁華街、下通アーケードと交わるクラブ通り。松島ビルの2階奥です。カウンターが5席、テーブルは2卓6席。
食べられるカレーは「チキンカレー」「馬キーマカレー」「野菜とひよこ豆のカレー」。それぞれに「普通」「辛口」「極辛口」が選べます。
夜はバーになる模様。メニューにはビールのほか、ワインやスコッチなども載っていました。
しばし迷って、馬キーマカレーを注文しました。ニューデリーをリスペクトしている店ではあるけれど、あえてニューデリーに無かったタイプを食べてみたくなったのです。
カレーが到着。ターメリックライスがドーナツ型に盛られ、その周りをカレーが囲んでいます。ライス中央のくぼみにジャガイモ、カレーの中にはブロッコリーとナスが見えます。ミニサラダ付き。
素材の持ち味を活かした、シンプルな味わい。汁気が多く、ザクザクとした口当たりです。塩気が利いており、スパイスの風味が控えめに加わって、馬肉の旨味を引き立てています。口中にジンワリと拡がるホットな刺激は、中辛よりも弱め。注文時に辛さを指定しなかったので、「普通」にしてあったようです。
全体的に優しく、あっさりめに仕上がっている印象。ご飯と一緒にサラサラと胃袋に収まりました。
パンチが利いていたニューデリーのカレーとは、いささか異なる作り。ですが、ドーナツ型のターメリックライスや、卓上に用意されたキャベツのピクルスなどに、ニューデリーの懐かしい気配が漂っていました。
次はチキンカレーやラムカレーを食べて、記憶にあるニューデリーのムルギーカレーやコルママトンカレーと比べてみたい…などと、再訪を楽しみに思いました。