カレーを作る際、コツのひとつとして「種類の異なるルーを混ぜる」があります。複数を混ぜ合わせると、味が複雑になってコクが増すという理屈。その手法が現実に普及している証拠に、ハウス食品があらかじめコクのあるカレーとまろやかなカレーを混ぜた「こくまろカレー」を発売しています。
それでは、ただ無作為に混ぜるだけで良いのでしょうか? 理想の組み合わせがあるのでは? …案ずるより産むが易し。実験してみました。
無作為に混ぜるよりも…
国内で発売されているインスタントのカレールーは種類が大量にあり、それらの組み合わせは無数です。数を絞らなければ、個人の力では調べ切れません。
そこで以下、メーカー“御三家”の人気商品に絞りました。すべて中辛です。
・ハウス「バーモントカレー」 米バーモント州に伝わるという、リンゴとハチミツによる健康法を応用。幅広い層に支持される、定番中の定番です。
・S&B「ゴールデンカレー」 35種のスパイスを使った、豊かな風味が特徴。日本の家庭に初めて“本格派”の味を持ち込んだ品とも言われます。
・グリコ「熟カレー」 “寝かせた味”を生んでヒットした「熟カレー」を改良。コクと香りのルーを組み合わせて“混ぜた味”も表現しています。
実験に当たり、まず豚肉とタマネギ、ジャガイモ、ニンジンを鍋で水煮しました。それを小分けし、それぞれにルーを組み合わせて混入。配合比率は1対1ですが、ひとつだけ3種類すべてを使っています。こうして4通りの組み合わせのカレーが出来上がり、少量ずつご飯にかけて食べ比べました。
私1人では評価が偏る可能性があるので、婚約者(現時点)の早崎明子さんにも試食してもらいました。ちなみに2人ともコクのある欧風カレーが好みですが、私は辛口派、早崎さんはマイルド派と微妙に異なっています。
結果は下表の通り。私は「3種混合」、早崎さんは「バーモント+熟」が1位となりました。熟カレーを混ぜて作ったカレーには“ハズレ”がなく、つまり熟カレーを加えた組み合わせならば、少なくとも失敗はしないということですね。一方、4位は「バーモント+ゴールデン」で両者共通しており、この組み合わせは避けた方が無難だと思われます。
たった3種類を組み合わせただけで、こんなに多彩な味が楽しめるとは…。カレーの奥深さを再認識させられました。
天竺堂 | 早崎 | |
---|---|---|
バーモント | 4位 あっさりめで風味が弱い | 4位 薄くて物足りない |
バーモント+熟 | 3位 マイルドでうまみが強い | 1位 最もコクがあった |
ゴールデン+熟 | 2位 バランスは良いがコク足りず | 2位 平均的な味 |
3種混合 | 1位 コクが強くて比較的辛い | 3位 塩辛さを感じた |
photo credit: su-lin via photopin cc
後日談 2009年と2013年に再検証しました。「カレールーのおいしい組み合わせを探せ!(2)」と「カレールーのおいしい組み合わせを探せ!(3)」をご覧下さい。
追記 多くのアクセスをいただいていることから、内容をまとめ直したサブコンテンツを以下に立ち上げました。こちらもどうぞご覧下さい♪