福岡県の南端にある大牟田市。ドライブで通りかかった時、何か地元のおいしいものでも買おうかと、「道の駅 おおむた 花ぷらす館」に立ち寄りました。
すると、平台に山積みにされたレトルトカレーの化粧箱が、私の目に飛び込んできたのです。
それが、今回試食した「大・ハードカレー」です。
思わず手に取り、気が付けば購入していました。これは私の性分みたいなものなので仕方がありません。
にぎやかなデザインのパッケージ。拳銃を構えているランニングシャツ姿の男性は、名作アクション映画「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスを目指しているように見えますが、「似ているか?」と問われたら、いささか議論の余地がありそう。小さく「社長 島哲男」と書いてあるのは、道の駅の社長さんということでしょうか?
平台の周りには、製品名が書かれた派手な幟旗が。山積みのパッケージと相まって、異様な“圧”を放射しています。
阿蘇あか牛のスジ肉に存在感
販売は大牟田市の「みらい広告出版株式会社」。1食150gです。
温めてご飯にかけたカレーは、濃いめのブラウンで、ゆるいトロみがあります。具材は、牛肉と思われる大きさ1~5cmの小塊が、コロコロと5個ほど。一般的な製品よりも重量が少なめではあるものの、肉の存在感が出ているせいか、少ないようには感じられません。
マイルドな欧風のビーフカレーです。肉の旨味がしっかりと溶け込んでおり、深いコクが生まれています。スパイスの刺激は、中辛程度と思われます。
パッケージの説明によると、入っているのは「阿蘇あか牛のスジ肉」。味わい深くて、赤身が舌先でホロホロと崩れます。スジの部分は、噛み切れる程度には軟らかいのですが、歯が弱い人には不向きかも知れません。その煮込み具合が、かえって食べ応えのあるおいしさにつながっていました。
使われている肉はあか牛ですから、大牟田市に関係する食材ではありません。
しかし、何とも濃いキャラクターを起用したこのカレーは、もはや大牟田市の特産品以外の何物でもなさそうです。