
牛肉において、日本では黒毛和種が“おいしい”とされていますが、近年では褐毛和種の評価も高まっているようです。和牛本来の赤身の味わいや、脂肪分が比較的少ないところなどが特徴とされます。
ここ熊本県では長年、阿蘇山麓などで褐毛和種の生産が続けられています。一般的な呼称は「あか牛」、地元JAによるブランド名は「阿蘇王」。
今回試食した「阿蘇王カレー」は、そのブランド牛肉を使ったレトルト製品です。
1食200グラム。販売はミック・コーポレーション。
褐毛和種の魅力
温めてご飯にかけたカレーは、シャバシャバのスープ状。オレンジがかった黄土色です。3~4センチほどの肉塊が2個。角切りのニンジンとジャガイモがゴロゴロ、クシ切りのタマネギも入っています。
軽い口当たりのビーフカレーです。酸味と甘味が適度に混ざり合って、何ともおだやかな味わい。スパイスの刺激は、中辛よりやや弱い程度。全体的に「汁気の多い肉ジャガ」を思わせます。
牛肉は赤身部分が多いものの、軟らかくて比較的ジューシー。噛み締めると旨味がジワリと出てきました。
重くてクドくなりがちなビーフカレーを、褐毛和種の肉質に合わせ、あっさりと仕上げてある感じ。黒毛和種とは異なるポジションで“勝負”しているようですね。