
巷で見かける「○○風」。辞書的には「特色となる傾向や流儀」を指す言葉ですが、使い方によっては「似て非なるもの」を意味します。
今回試食したのは「伊勢海老風カレー」。三重県の“ご土地カレー”のようです。
紐の持ち手が付き、伊勢エビのイラスト部分が浮き出す構造の、凝ったパッケージ。筆文字で「伊勢海老カレー」と読めますが、よく見ると背後に「風」の一字が。
原材料名を見ると、記載されている海産物は「鱈」。他に「伊勢エビ粉末」など。
タラに粉末…何とも怪しいカレーですが、かえって好奇心が湧いてきますね。
三重県伊勢市、つじはる商店の製品。1食200グラム。
「風」が意味するもの…
温めてご飯にかけたカレーは、モッタリとした日本風。色は落ち着いたブラウンで、ニンジンやジャガイモなどが見えます。
食べてみると、エビの風味が特徴的。濃厚な味わいではあるものの、しつこさは感じられません。やや塩気が強く、ご飯が進みます。
タラは練物のコマ切れです。味も食感もカマボコっぽく、どこかプリプリとしたエビの身に似ているところも。
土産物としてのレトルト製品には、ふさわしい価格帯があります。観光客が気軽に手を出せる程度に収まるコストで、伊勢エビの存在感を出す工夫がなされている訳ですね。
ただし、この「似て非なるもの」がフェアであるかどうかについては、意見が分かれるかも。