大島屋:カレー | カレーの穴 curry-no-ana.com

大島屋:カレー

単品で勝負(大分県大分市)

大島屋:カレー
 巷に“ラーメンのみ”や“蕎麦のみ”という店は少なくありませんが、“カレーのみ”はあまり見かけません。トンカツやチーズなどのトッピングでバリエーションが簡単に増やせるカレーは、あえて単品で勝負する必然性が低いのでしょう。

 ところが、大分にはカレーが1種類しかない専門店があるのです。


 その店は「大島屋」。大分市の繁華街、中央町と竹町のアーケードに囲まれた一角の、「おくの細道」というトンネルみたいな路地の中ほど。たどり着くまで、少々迷いました。

 オープンキッチンを囲み、カウンター10席。落ち着いた民芸調の内装で、アラブ方面の調度品や武者甲冑などが飾られています。

 貼り出してあるメニューは「カレー」「大盛り」「持ち帰り」。実質1種類ですね。

 出てきたのは、焦茶色の欧風カレー。具材はすべて煮溶けて判別不可能。自家製というピクルスが、陶製の小瓶で付いています。

 見た目は濃厚そうですが、優しい口当たり。適度なトロみは、煮溶けた野菜などによるものらしく、重さは感じられません。肉は黒毛和牛とのことで、繊維状にほぐれたものが入っています。
 スパイスの刺激はジンワリと利いてくる程度。ですが、どこかオトナっぽい、深みのある味わい。酸味や渋味が混ざり合い、それらが欧風らしからぬキレを生んでいるようです。
 隠れた名物というピクルスもイケる。キャベツやニンジンなどがあっさり味に仕立てられ、シャキシャキとした食感が、具材のないカレーを食べ進む際のアクセントに。

 肉の旨味とかスパイスの風味とか、個別的な特徴を押し出すのではなく、全体のまとまったおいしさで食べさせるカレー。ちょっとクセになりそうな味わいが、リピーターを引きつけるのでしょう。