バンコクのカレー | カレーの穴 curry-no-ana.com

バンコクのカレー

大衆店も高級店もうまい!(タイ・バンコク)

「MBK Food Center」のカレー
 タイと言えばタイカレー。10月24日からタイに渡り、プーケット島でのミニオフ会を終えた私とカミさんは、古都アユタヤの仏教遺跡を見物した後、鉄道で首都バンコクに入りました。交通事情の悪さで知られていたバンコクですが、BTSという高架鉄道ができてから、市内の移動が格段に便利になっています。私たちはバンコク中心部の繁華街サイアム地区にあるホテル「Novotel Bangkok Siam Square」に滞在、あちらこちらへと繰り出しては、名物のフカヒレやタイスキ、屋台料理などに舌鼓を打ち鳴らしました。

 さて、タイカレーです。私は庶民的なカレーと、最高級のカレーの両方を食べようと考えました。旅行前に「ほとんどのタイ料理は、大衆店も高級店も味のレベルは変わらない」という話を聞いたので、自分の舌で確かめてみたかったのです。


 まずは大衆店。バンコクは屋台が有名ですが、事前調査ではカレーを出す屋台の情報が得られず、現地でも見かけません(探せばあったのかも知れませんが)。そこで「クーポン食堂」で食べることにしました。これはビルの中にあるカフェテリア風の屋台街で、入り口でチケットを購入し、それで各店の料理を“買う”仕組み。私が選んだのは、クーポン食堂の老舗「MBK Food Center」。中華料理や日本料理の店など何十店も並び、フロアは1人客から家族連れまで大にぎわい。

 タイ語の看板は判読不能でしたが、ある店で「Yellow Curry」の表示を見つけ、コレコレと指さして注文しました(写真上)。鮮やかな黄色いソースをまとって、骨付き鶏肉がひとつと、ジャガイモが2個。粗く切ったパクチー(香菜)がかかっています。付け合わせは、キュウリとタマネギのピクルス。小皿の青唐辛子やナンプラーは取り放題で、これはどの店も同じスタイル。

 食べてみると、まずココナツミルク独特の甘さが口の中に広がり、やや遅れてヒリヒリとした辛さが立ち上がってきました。この甘辛さに、パクチーの青臭さがアクセントに。ナンプラーを混ぜ込んでみると、また旨味が増して面白い。肉は軟らかくて程良くジューシー、ジャガイモは中まで味が染みこんでおり、かなりイケます。タイ米と共に、たちまち胃袋に収まりました。

「The Oriental」のカレー
 次は高級店。ホテルのレベルが高ければ、料理もそれなりだろうと判断、俗にアジア3大ホテルに挙げられる「The Oriental」のランチビュッフェに行きました(ちなみに、あと2大はシンガポール「Raffles Hotel」と香港「The Peninsula」です)。
 宿泊していなくてもレストランは利用できますが、私たちが着いた時は、ランチタイムが終わる20分前。あきらめつつも、「せっかく来たので」と中へ。大河チャオプラヤー川の側に建つ、意外とこぢんまりしたホテルです。バンコク市内には規模や設備でオリエンタルを上回るホテルが続々登場しているものの、冷房の利いたアジアンテイストあふれるのロビーに踏み込んだだけで、すでに“別格”の雰囲気。女性職員が相談に乗ってくれ、私が拙い英語で「私は伝統的なタイのカレーが食べたい。とても好きなのです」と訴えると、微笑と共に「こちらへどうぞ」。私たちはホテルの専用ボートに乗せられ、対岸のレストランに案内されました。河向こうもホテルの敷地なのです。広々としたレストランではタキシード姿のマネージャーに迎えられ、私は再度、自分がカレー好きで、タイのカレーに大きな期待を寄せていることを主張。馬鹿の一念が通じたのか…河が見渡せる眺めの良い席に通され、マネージャーがひとつひとつ説明しながら、料理を取り分けてくれました(写真下)。

 ローストダックのレッドカレー、ラムのイエローカレー、フィッシュボールのグリーンカレーがあり、ご飯はタイ米と赤米の2種類。レッドカレーは肉の旨味にやや乏しいものの、その分スープの味わいが深く、入っている葡萄のような果実(説明では中国のフルーツとか)の酸味が不思議と合いました。イエローカレーは肉の滋味が最大限に引き出されている感じで、それなのにラムとは思えない上品さが。グリーンカレーは最も辛く、タイ人好みのブヨブヨしたフィッシュボールはイマイチでしたが、油に馴染んだナスがおいしかった。3種それぞれに良さがありました。

 私が料理の写真を撮っていると、スタッフが「どうしてそんなにカレーが好きなのか?」「今までどんなカレーを食べてきたのか?」「ウェブサイトを運営しているのなら、本も書くべきだ」などと話しかけてきて、和やかなムードに。とうにランチタイムは過ぎていましたが、マネージャーはニヤリと笑って「時間は延びました」。

 クーポン食堂のカレーの値段は、1皿が日本円で発泡酒のショート缶1本分程度。片や、オリエンタルのランチビュッフェは、1人分がビールのロング缶4ダースほど。
 カレー1皿と、約50品目が取り放題のビュッフェ、単純比較はできませんが、少なくともクーポン食堂のカレーは、オリエンタルのカレーに劣ってはいなかったと思います。とは言え、オリエンタルの細やかなサービスは、おいしさとは別種の満足感をもたらしてくれました。