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王様食堂:カツカレーのL

「大盛りカツ」カレー(熊本県熊本市)

王様食堂:カツカレーのL
 レストランやカレー屋で大盛りカレーを頼むと、普通のものよりもカレーとご飯がやや増量されて出てきます。これがカツカレーなら、大盛りを注文すると、カツカレーとしてのトンカツの量(たいていトンカツ1枚)はそのままに、やはりカレーとご飯が増量されるはず。

 しかし、それは当たり前のことなのでしょうか? せっかくなら、トンカツの方を大盛りにしてほしいとは思いませんか? 私は思いました。そこで、トンカツが多い大盛りカツカレーを食べることにしたのです。


 トッピングの自由度が高い「CoCo壱番屋」などのカレーチェーン店に行けば、“カツカレーにトンカツをトッピングする”という形で、カツの“大盛り”を実現させることは可能。ですが、カツカレーにおいては、カレーよりもトンカツ重視が鉄則。あくまで主役はトンカツです。“トンカツがうまいカツカレー”と“カレーがうまいカツカレー”を比べた場合、明らかに前者の方が満足できるからです。よって、うまいカツカレーを食べたいならば、うまいトンカツのある店に行かねばなりません。

 訪れたのは、熊本市中心部の栄通りにある「王様食堂」。定食から持ち帰り弁当まで扱っており、ハンバーグやエビフライなど洋食系の総菜が人気。トンカツもいけます。メニューに載っていない「L」というカツカレーの裏バージョンがあり、これがトンカツの大盛りになるそうです。

 果たして「カツカレーのL」は、直径30センチの皿に載って出てきました。褐色のカレーがなみなみと注がれ、ご飯の盛りも多め。その上には、女性の手のひらほどのトンカツが2枚。色良く揚がっており、それぞれ5分割されています。見た目はトンカツとカレーとご飯だけという、力強いような寂しいような…。

 カレーはトロみがゆるめの欧風で、辛くはなく、スパイシーさも足りません。ただ、長時間煮込まれているのか、しっかりとしたコクがあります。具は豚肉や野菜の砕片がわずかに確認できる程度。弁当屋だけに、ご飯はよく炊けていました。
 トンカツの方は、厚さが肉自体は約5ミリ、コロモが付いて1センチ強。コロモは粗めでサックリ、肉は柔らかくてジューシーと、ツボを押さえた出来映えです。2枚あるとかなりのボリューム。それでも、没個性なカレーがちょうどトンカツソースのような引き立て役を演じ、“カレー味のカツライス”といったノリで、思ったよりもスムーズに食べられました。

 店を出るころ、私の胃袋は燃える石炭が詰まっているかのように熱くなり、何だか「よし、またこれから頑張るぞ!」と拳を握りしめたい気分に。あまり食べないカツカレーですが、食べると不思議に気合いが入ります。