オーベルジュ・ドゥ・弥上:特製ビーフカレー | カレーの穴 curry-no-ana.com

オーベルジュ・ドゥ・弥上:特製ビーフカレー

ペンションの高級カレー(熊本県阿蘇市)

オーベルジュ・ドゥ・弥上:特製ビーフカレー
 私の元には、全国のカレー者からメールが舞い込みます。今回の探訪は、そんな1通のメールがきっかけでした。「ホームページを見せていただいた感じでは、とてもカレーを愛していらっしゃる方とお見受けいたしました。ぜひ、父のカレーを食べていただきたくて、メールを書きました」

 メールの送り主は、弥上まりさん。ご両親が阿蘇郡阿蘇町(現・阿蘇市)で「あそ峰」というペンションを経営しており、娘のまりさんによると、オーナーシェフを務めるお父上が作る欧風カレーは絶品だそうです。「あそ峰」のフランス料理の評判は聞き及んでいたので、願ってもないお誘いを、喜んで受けました。


 目指すペンションは阿蘇町の森の中、「乙姫ペンション村」の一角にありました。落ち着いた上品なたたずまい。どんなカレーが出てくるのか…胸が高鳴ります。

 ダイニング・ルームに入ると、メニューボードに「特製ビーフカレー」。フランス料理のコースで、肉料理として出てきました。ノリタケの皿に盛られたカレーは、光沢のある焦げ茶色で、具に大きな肉塊3個とマッシュルーム2個。ご飯はニンジンを炊き込んだバターライスです。彩りにローズマリーが1切れ。

 食べてみると、口の中に広がる肉の強い風味に圧倒されました。濃厚な味わいですが、カレー自体は極めてクリーミー。クドさは感じられません。中辛程度で、香ばしいバターライスとの相性は絶妙です。牛肉はスプーンでホロリと切れる軟らかさですが、決してダシ殻ではなく、ジューシーなおいしさが保たれていました。
 瞬く間にたいらげてしまった私。一般的なカレー屋の欧風カレーと違い、フランス料理として作られたそれは、“肉料理”としての魅力が全面に出ていました。これがコース料理でなかったなら、迷わずおかわりを所望していたでしょう。

 まりさんのお父上によると、「カレーは手がかかるので、年に数回しか作りません」とのこと。このカレーに巡り合った宿泊客は、自分の強運を喜ぶべきでしょう。念のため、カレーに先立って出されたオードブルも魚料理も、とてもおいしかったことを付け加えておきます。

後日談 私が訪れた時は「あそ峰」でしたが、その後「オーベルジュ・ドゥ・弥上」に改名されました。