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ここは“カレー者”たちの秘密養成所。7つの穴でカレーを極めろ!

ビーフカレー(近江牛)

本場の近江牛使用(千成亭)

ビーフカレー(近江牛)
 カレーの肉と聞けば、熊本に住む私は、まず牛肉を思い浮かべます。周りの人々もおおむね同じ傾向。カレーにおいて関東は豚肉、関西は牛肉が主流とされており、西日本の一部である九州にも“カレーとはビーフカレー”という意識が根付いているのかもしれません。

 この牛肉。「○○牛」と個別化を図る肉は日本各地に存在し、そのトップには松坂、神戸、近江の「三大銘柄」が君臨しています。いずれも黒毛和種。一説によると、近江牛は江戸時代から地元で食べられていたらしく、そこから但馬牛(神戸牛)が生まれ、さらに松阪牛が連なるとか。近江・井伊藩は陣太鼓用牛皮の生産地で、幕府から唯一、牛の屠殺を公認されていたそうです。近江牛には長い歴史があります。


 幸運にも、「募集の穴」の交換企画で、近江牛を使ったカレーが送られてきました。滋賀県にある「千成亭」という食品メーカーのレトルト製品です。

 パッケージは銀色で、濃紺を合わせた上品なデザイン。「本格派職人仕立て」「近江肉使用」の文字が誇らしげに見えます。

 温めてご飯にかけた第一印象は「濃そう」。焦げ茶色のカレーで、内容物は判然とせず、表面を脂の輝きが覆っています。食べてみると、見た目以上のコッテリ感。主役の牛肉は塊が数個、ホロホロに軟らかくなっていますが、エキスはすっかり出てしまった感じ。それだけにカレーのうま味は濃厚で、ご飯がたくさん食べられます。フルーツ系の酸味が利いており、クドさは感じられません。具は他にジャガイモのかけらを確認。
 気になったのは、小麦粉のモッタリとした重さ。胃にもたれそうな、昔のレトルト製品を思わせる作りです。ただ、このカレー全体が“牛肉”を主張している印象があるので、重さが食べ応えにつながり、違和感を抱くほどではありませんでした。

 ビーフカレーとしての出来はなかなかのものですが、近江牛のカレーとしては少々物足りない。「このカレーに、近江牛の角切りステーキを加えたら…」などと、ぜいたくなことを考えてしまいました。