くじらカレー | カレーの穴 curry-no-ana.com

くじらカレー

食べられるのは今のうち?(極洋)

くじらカレー
 私たち人間は、その歴史の中でさまざまな生命を食べてきました。海の王者である巨大なクジラでさえ、小学校の給食に出してしまうほど。そのどん欲さには果てが無く、とうとう鯨肉が入ったカレーまで登場しました。…いえ、「とうとう」ではありませんね。かつて、鯨肉が安価だった時代があり、一般家庭では牛肉や豚肉の代用品として使われることも多かったそうです。

 現在、鯨肉が珍しく扱われるのは、みなさんもご承知の通り、世界中の海で捕鯨が禁止され、手に入りにくくなったから。鯨肉がおいしいかどうかはさて置き、「知性が高くて歌を唄う」などという訳の分からない理屈によって食べられなくなるのであれば、何と馬鹿馬鹿しいことでしょう。歌ならば庭のセミだって唄います。


 今回試食した「くじらカレー」は、先日東京で開いた「第2回オフ会」(「読者の穴」参照)で、参加者からお土産としていただいたもの。今後は口にする機会がないかも知れないので、感謝してじっくりと味わいました。

 190グラム入りの缶はオレンジ色で、黄色いゾウの神様が2体あしらわれています。ラベルには「ミンク鯨は増えています。合理的に利用しましょう。」という但し書きが。増えているのならば、遠慮なく食べようではありませんか。
 温めてご飯にかけたカレーは、具だくさんの和風カレーという趣です。賽の目に切られたニンジンやジャガイモの間に、褐色の鯨肉が数切れ見えています。食べてみると、カレー自体は甘めの平凡な味。主役の鯨肉はやや筋張って硬く、脂身はありません。奥歯で噛んでいるうちに味わいが増してくる、ビーフジャーキーに似た食感でした。

 正直、あまりおいしいカレーではありませんでした。牛肉や豚肉の方が、鯨肉よりも味が良く、それに現在では安価なのです。…だからこそ、今回の試食は意義深いものだったと思います。おいしくもない鯨肉が貴重品になってしまった現実について、深く考えさせられました。