九州・沖縄試食の穴

デパ地下で限定販売【和田門のテイクアウトカレー】

和田門のテイクアウトカレー

 カレーの決め手はスパイスにあるのでしょうが、欧風に限れば肉だと思います。肉の旨味が凝縮されたダシ、脂の滋味あふれる軟らかい肉塊…これが欧風カレーの真骨頂です(珍しく断言)。
 とすると、カレー専門店よりも、肉の専門店の方がうまい欧風カレーを作っているはず。良い肉がある所には良い欧風カレーがある、という理屈です。

 そこで今回は、福岡・博多にある有名な高級ステーキ店「和田門」のカレーを食べました。時間的にも経済的にも店に行く余裕がなかったので、天神のデパート「Zサイド」に週末限定で販売されているテイクアウトを購入。お持ち帰りのカレーにしては、かなり立派なお値段でした。

 円いスチロール容器に小袋が付いていて、レーズンやリンゴが混ざったバターが入っています。小袋の中身をご飯に交ぜてバターライスを作り、温めたカレーをかける仕組みなのです。

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牛肉のおいしさに陶然

 カレーは黒に近い焦げ茶色で、表面がテラテラと輝き、見るからに濃厚そう。実際に食べてみると、肉の旨味が利いている上に、フルーティーな甘味や苦味も感じられ、実に奥深い味わいです。バターライスは軽い風味が付いている程度で、濃いカレーにちょうど良い塩梅。特に素晴らしかったのが牛肉で、軟らかくジューシーな肉質もさることながら、脂の上品な甘さには陶然となってしまいました。

 欧風にしては珍しくスパイシーで、辛さもかなり高めに設定、カレーであることを明確に主張しています。私は欧風カレーについて“質が高いほどシチューに近くなる”と思っていたのですが、そのような偏見が完全に打ち砕かれたカレーでした。…まだまだ私は未熟です。

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